低体温と病気 〜病気は低体温から〜 その2

消化酵素を大量に使う低体温

私たちの体の中では、約5000種類以上の酵素が働いている。
体内酵素は「消化酵素」と「代謝酵素」の2群に分けられる。

消化酵素は…
食べ物を分解する酵素。

代謝酵素は…
代謝に関わる酵素で、約10ミクロン前後まで細くされた栄養を、腸の絨毛から吸収し、毛細血管を通って内蔵や筋肉などあらゆる組織へと供給。体にたまった毒素や老廃物を汗や尿の中に排泄したり、リンパ液や白血球の働きを促進し免疫力を高めたりする。

大切…
体内酵素が最も活性化する深部温帯は、37.2 〜 38.5度
その時、腋下・舌下は、36.5度。

 

低体温では体内酵素の働きが弱まり、消化の反応速度は遅くなり消化酵素を多量に必要とする。
体内酵素の生産量には個人差があり、一生の間に体内で作られる量は一定です。

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従って消化酵素として使っていくばかりではどんどん減少し、代謝酵素に回す分が不足しがちになる。
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その結果、生命の維持活動を修復するのに支障をきたし、寿命にも関係する。



低体温は汗腺機能を鈍くする

汗は、恒温動物の人間にとって体温を一定に調整する大事な働きをしている。
その発汗のしくみは…
体温が上昇すると汗腺に血液中の水分とミネラルがとり込まれ、ミネラルは血液中へ再吸収され主に水分が汗として体外へ出され、気化熱が体を冷やして体温を下げる。


重要

冷暖房完備の過保護な所にばかりいると、汗をかく機会も少なく、汗
腺機能が低下し、部分的に汗が出にくい体質になる。
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汗腺の衰えは、汗腺の数を少なくし、ひとつひとつの汗腺の負担がふえるので、ミネラルを血液中へ再吸収することが追いつかず、汗といっしょに排泄されるのが悪い汗。


参考
たとえ大量の汗をかいた後に水を飲んでも、血液がミネラルを体内に保とうとして、せっかく飲んだ水分を尿で排泄してしまい、結果的に血液はドロドロに、汗もかけず、体温は上昇し熱中症になる。

汗のもう1つの大事な役割は、体内の有害物質や老廃物を排除する役割もある。遠赤外線や温浴により、40度前後で体を芯から温めた時に出る汗には、皮脂腺からの有害物質の水銀・鉛・カドミウム等の重金属等がふくまれている。

重金属は脂肪に溶けやすく、皮下脂肪に蓄積されると燃えない脂肪に変化し痩せにくくなる。しっかりと汗をかくことが低体温の改善にもデトックスにも有効。

良い汗…
水分が主体。
健康な人は有害金属までも排泄できる。色がついた汚い汗。

悪い汗…
水分とミネラル分を出す。アンモニアや尿素なども含むくさい汗。病気の人はきれいな透明の汗。


低体温ではエネルギーをつくれないミトコンドリア


体の60兆個にも及ぶすべての細胞の中には、2つのエネルギー生成工場が存在する。


1.酸素を必要とする解糖系(好気性)

ミトコンドリア系 

こちらは解糖系で分解された栄養素などに、呼吸によってとり入れた酸素の90%を使って、栄養素から水素をとり入れ、酸素と結びつけ水をつくり、時間はかかりますが多量のエネルギー(ATP)を産み出します。

持久力を生み出す有酸素運動のようなものに使われ、十分な酸素の供給と深部体温37度以上の環境が必要です。

ミトコンドリアが多く含まれる心臓の心筋では、約40度の発熱、赤筋の極限熱は44度までと温かく、しかし酸素の出し入れに鉄分を使うので外見は赤く見えるのが特徴です。



2.酸素を必要としない解糖系(嫌気系)

こちらのエネルギー生産の原料はブドウ糖で、すぐにエネルギーをつくり出せますがたくさんの量はつくれない。

瞬発力を産み出す無酸素運動のようなものに使われ、体表温32度の環境で分裂増殖を繰り返すが、ブドウ糖が分解される過程で乳酸という疲労物質がつくられので長くエネルギーをつくり続けることはできません。


ミトコンドリア系は…
食べ物からとり出された水素と反応させて、大量のエネルギーATP(エデノシン三リン酸)を生産する。

・エネルギー生成は遅く、効率が良い
・分裂しにくい
・赤筋、心筋、卵子に多い


解糖系は…
ミトコンドリア系の出すATPをもらい、しかも細胞内では細胞分裂の抑制を条件に寄生し存在している。

・エネルギー生成が速く、効率は悪い
・分裂しやすい
・白筋、皮膚、精子に多い


参考

脳の神経細胞にも比較的ミトコンドリアは多く、熱が上がりやすく ”頭に血がのぼる” と例えられる。
こうした細胞では、とり出した水素イオンと電子にわけて蓄積した電子エネルギーが流れているので、心電図・筋電図・脳波として捉えられます。

大切
低体温になると低酸素状態を引き起こし、ミトコンドリアの多い細胞の機能に与えるダメージは大きいのです。

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