体が若くなる技術 〈6〉おなかを空かせて若くなる vol.2

 体が若くなる技術 〈6〉vol.2

おなかを空かせて若くなる」



長寿の研究は「パン酵母」からはじまった

江戸時代の儒学者:貝原益軒の書「養生訓」には、
あれこれ食べてみたいという食欲を抑えることが、
長寿をまっとうするための第一条件と書かれている。

最近も、それぞれの自分の体験から、
粗食・プチ断食・腹八分目の食生活をすすめる方がたくさんいらっしゃる。



重要…
70年前には、動物と食事と寿命の研究から、カロリー摂取を少なくするだけで、寿命が長くなることがすでに知られていた。

参考…
アメーバのような単細胞生物から、マウスのようなホ乳類まで、
エネルギーの源であるカロリーを制限すれば、どの動物でも長寿になれる。

実験…
多くの実験では、カロリーは自由に食べられる食料のうち、50~60%に抑えると・・・
・アメーバは1.9倍
・ミジンコは1.7倍
・クモは1.8倍
・グッピーは1.4倍
・ラットは1.4倍


人間の場合では1日1200キロカロリーくらい。
例えば・・・
 
朝食 …トースト1枚、卵1個、野菜や果物少々
昼食 …肉を50gと野菜
夕食 …小さい茶碗一杯のご飯、魚ひと切れ、冷ややっこ半丁、
    野菜・果物少々
 
↑ 食いしん坊には難しい内容。

カロリー制限によって寿命がのびるということは、
エネルギーが低下し、活性酸素の発生量が少なくなるからでしょう。
「亀型寿命」に習った方法と思われた。

重要…
カロリー制限によって寿命がのびるのは、エネルギー代謝以外のシステムと関係していることが判明した。




長寿をのばす「長寿遺伝子」とは

パン酵母はひとつの細胞からなる、単細胞生物。
ミトコンドリアもあり、寿命がある。
パン酵母を栄養物の中に置くと、分裂していつまでも増えつづけることができる。
分裂していつまでも増えつづけることができるので、寿命がないように感じるが、そうではない。母酵母が「こぶ」のような出っでぱりが出てそれが大きくなって子となる。

注目…
親からはこぶが20回できて、それ以後はこぶができなくなり死に絶えてしまう。
パン酵母も人間と同じように親はみずからの生命を子に託し死んでしまう。
ここでパン酵母の栄養を25%だけカロリーを減らすと、長生きになると発見された。

重要…
カロリーを制限した場合とそうでない場合に何が違うのか?
カロリーを制限したパン酵母では、
「沈黙の情報制御因子2」と名付けられたタンパク質が増えることがわかりました。
現代では「長寿遺伝子」と呼ばれている。


長寿のパン酵母では長寿遺伝子がはたらくことがわかった。
遺伝子操作によって長寿遺伝子をはたらかせると、
パン酵母のミトコンドリアは増加し、カロリー制限しなくても、
寿命がのびた


その後もさまざまな生物で同じように研究がなされた。
どの生物でも50~60%にカロリーを減らすと、長寿遺伝子がはたらく。

長寿遺伝子をはたらかせるだけで、カロリー制限しなくても寿命がのびるという結果が出た。

重要…
長寿遺伝子の最大のはたらきはミトコンドリアを増やすこと☆




サルもひと目みれば「若い」か「年配」かがわかる

カロリー制限と寿命の研究。
アカゲザルで実験が実施された。
アカゲザルのうち70%にカロリー制限したサルと、自由に食物を食べさせた2つの郡に分け、20年間比較した研究がある。

アカゲザルの寿命は27才前後。
人間だと60年間観察したことに匹敵する。

結果…
70%にカロリー制限したサルは、
シワや白髪が少なく体毛も抜けてない。
目の輝きも違い精悍な顔つきであった。
(一方のサルはボーとした感じ)
生活習慣病や老年病で亡くなる数が1/3にまで減少。
平均寿命が長くなった。

参考…
70%のカロリー制限というと、人間の場合は1日1400キロカロリーになる。

・にぎり寿司10カンを三食分と同じ値
・うな重は1000キロカロリー
 うな重を食べた後はがまんして400キロカロリーしか摂らない。

このブログの人気の投稿

酵素について Vol.13

体が若くなる技術〈3〉vol.2

低体温と病気 〜睡眠と健康〜 質の高い睡眠は健康のためにはなくてはならないもの Vol.1