睡眠について〈4〉

睡眠について〈4〉
さらに『良い睡眠』を生むプラスαの法則



正しいマットレスは寝たときに身体の軸が一直線になる
「正しい寝方」で睡眠の質は断然変わります。
 人は人生の1/3を眠って過ごします。特に体を預けるマットレスは慎重に選びましょう。



ポイント手で押したときに2~3㎝ 沈む弾力性がある事。
人はまっすぐ立つと背中がS字になる。
(腰のくぼみは、起立時で4~6㎝、仰向けになると2~3㎝に狭まる)
『2~3㎝ほど腰がくぼんだらS字姿勢』を正しく維持するマットレスなら身体は負担がかからず熟睡できる。

マットレスがやわらかすぎると…
腰からおしりが深く沈みこ込んだ無理のある姿勢になってしまいがち。

マットレスが硬すぎると…
クッション性が弱い分、肩や腰の骨が床に当たり安定した睡眠姿勢を長く保つことができません。

特に背中などの筋肉が落ちていることの多い高齢者は、ある程度の弾力性があるマットレスが必要。そうでないと肩甲骨や腰骨の周辺にずれが生じてしまいかねない。
S字姿勢を支えられないマットレスを使い続ければ眠りの質が下がってしまうのは明らか




ポイント2
寝返りが打ちやすいこと
寝返りの1番の目的は、寝ている間、身体の重みが特定の場所にかかることで起こる。
筋肉疲労や血液循環の悪さを防止すること。
寝返りが打ちにくいと、身体の向きを変えるために必要以上の力を使うため、途中で目が覚めてしまうことがある。
朝まで中途覚醒せずぐっすり眠るのは寝返りの打ちやすさがガギになる。
低反発素材のマットレスは高反発素材にくらべると、寝返りの打ちやすさでは劣ります。

理想のマットレスとは、
寝たときに身体の軸が一直線になるよう、部位により硬さ・素材・反発力などを変えて作られているもの。まずは専門店で実際の寝心地を試してみることが大事。




枕をないがしろにすると睡眠の質は驚くほど低下する
枕をないがしろにすることで起こる睡眠の質の低下は驚くほど深刻。
もし枕が低すぎるれば…
顎が上がり、頚椎(首の骨)に負担がかかります。
もし枕が高すぎれば…
軌道がふさがれてスムーズに呼吸ができなくなる恐れがある。

枕をしない人もいますが、脳への影響を考えると感心しない。
心臓から出た血液は四肢や脳に送られます。体の隅々までまんべんなく送るため、心臓は強く動きます。横になっているときは、心臓は力いっぱい拍動しなくても血液は楽に脳に届くものです。
そこで少し、頭を上げておかないと頭に血がのぼりすぎてしまう。
つまり枕を使わないと、脳がうっ血しやすくなる。
「起きたとき、いつも頭がぼーとしている」と感じる人は枕を使わないことが原因かもしれません。

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要 理想的な枕とは
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それは寝るときの姿勢で異なる。
仰向けで寝ることが多い人は『寝た状態で頸椎から肩にかけて自然なS字カーブが保てる』のが1番。

S字カーブの深さは首の長さや後頭部の形によって違う。
S字が浅ければ低め。深ければ高めの枕がフィットします。

いびきをかく人や、睡眠時無呼吸症候群の人は仰向けで寝ると舌が落ち、軌道が詰りがち、また妊娠中の人も仰向けの状態が長時間続と胸がお腹に圧迫されてしまう。
こうした人は、横向きで寝る方が睡眠を妨げません。

横向きに寝る方には…
中央がくぼみ、両サイドがやや高めになった形がぴったりです。
このタイプなら、横向きに寝たとき、背骨から頭にかけての線をまっすぐに支えてくれる。
寝返りがを打ったときに頭が落ちてしまわないように、長さは頭の3倍以上のものがおすすめ。

枕の素材 には、羽毛・そばがら・ビーズ・低反発素材などのタイプがある。
素材ごとに使い心地が異なるため、高さ・形状・素材の感触も確かめ、自分の好みに合ったものを選ぶ。

枕に頭だけをのせると、肩こりの原因になる。
肩口・首・頭などしつかり支えられるように当てることか大切。




快眠のためのベストな寝床温度は32~34度
『寝床環境』
これは人の身体と寝具の間に出来る空間の温度と湿度を指す言葉です。
人が布団に入ると寝床内の温度と湿度は体温で上がった後、安定します。
心地よい『寝床環境』は、年間を通して温度32~34℃・湿度45~55%とされています。
この環境をはずすと目が覚めてしまったりする。

32~34℃という寝床環境は「冬はまだしも、夏は暑いのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、人が裸でいても暑さや寒さを感じない温度は29℃です。
寝ているとき、人の深部温度は下がるため、
掛け布団を使って29℃より少し高めの寝床温度をキープすることが必要です。
快適な寝床環境を1年を通じて保つには、当然ながら掛け布団を季節や室温にあわせて変えないといけません。

理想的な掛け布団の条件は
『適度に軽い』
『身体になじむやわらかさがある』
『保温機能と吸放湿機能に富んでいる』

この条件を満たす最も理想的な掛け布団の素材は、

No.1… 軽くて温かい水鳥の羽毛です
キルティング加工された羽毛布団なら、羽毛のかたよりが起きにくく、身体へのフィット感も抜群です。

No.2… 次いで温かいのは羊毛です
フィット感はやや劣りますが、軽さも適度で吸放湿もたかいため、「羽毛布団は軽すぎる」「値段が高い」という方におすすめです。

年配者には「重量感のある掛け布団でないと落ち着かない」と、
ながらの綿わたを詰めた掛け布団を好む人も多いようです。
ただし、医師としては、綿わた素材はおすすめできない。

重さで身体が圧迫され、高血圧や心臓疾患といった症状が進みかねない。
厚みのところや、フィット感が低いため、肩口から冷たい空気が入り込み、
途中で目が覚めたり、風邪をひいたりする恐れがある。


室温が20℃以下の時期
羽毛や羊毛の掛け布団を掛け、必要に応じて毛布をプラスすれば理想的な寝床環境を保てるでしょう。

室温が25℃前後の時期
羽毛や羊毛の肌掛けか綿毛布が適している。

室温が25℃以上の時期
綿や麻など天然素材のタオルケットやガーゼケットを使うと良いでしょう。
肌触りが爽やかで、吸放湿性も高いため、気持ちよく眠ることができるはずです。

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