睡眠について〈2〉②



睡眠について〈2〉
高血圧・糖尿病・がん・認知症・うつと睡眠の大切さ

4時間睡眠が1週間続けば糖尿病の初期症状になる



◆睡眠で線引きされる糖尿病になる人・ならない人
血液中の糖分が過剰になる病気が糖尿病です。治療せずにいると重い合併症を招く恐ろしい病気。糖尿病も睡眠のとり方次第で「なる人・ならない人」がくっきりと線引きされる。血糖値はインスリンの働きにより、一定レベルに保たれている。何らかの理由でインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞に取り込まれないまま血中に残り、いつまでも高血糖状態が続く。
そして、やがて糖尿病になってしまう。



睡眠の質がインスリンの働きを左右する
近年、インスリンの働きが睡眠不足によって低下するという研究結果が続々と報告されています。

●オランダのライデン大学の研究チーム
睡眠時間が短すぎると、たとえ血糖値が正常な人でも、 インスリン作用を受ける細胞の感受性自体が悪くなり、糖尿病になるリスクが高くなる。

●アメリカのシカゴ大学
健康な若者たちの睡眠時間を4 時間に制限したところ、ブドウ糖を処理する能力が急激に落ち、たった一週間で初期の糖尿病患者のような高血糖状態になつてしまった。


以下、「睡眠の質」もインスリンの働きを左右することがわかる。


●シカゴ大学の研究者
健康な若者を集め「ステージ3~4」の徐波睡眠に入ると騒音を流し、「ステージ2」の浅い睡眠に引き戻す実験を行いました 。(徐波睡眠とは H17.12月コラム参照
すると、彼らの徐波睡眠の合計時間は、若い成人の平均である一晩あたり80~100分間から、60代の平均の20分程度に落ちた。その結果インスリンの働きは25%も低下しました。そして血糖値は健康体であるにもかかわらず23%も上昇した。

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注目
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この結果から、深い睡眠を取らないと高血糖になるリスクが高くなるこどが明らかになった。その上、睡眠中に無呼吸や低呼吸があるとインスリンの働きが一層悪くなることも明らかになった。



失明・人工透析・足の切断…恐ろしすぎる合併症
合併症の代表
糖尿病性網膜症
糖尿病性腎症
糖尿病性神経障害


糖尿病性網膜症
本症は高血糖が続くことで目の網膜の血管が詰まったり、出血しやすくなったりする。
成人が失明する主な原因はこの病気によるもの。


糖尿病性腎症
体内の血液をろ過し、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が落ちる病気です。 
腎不全となり、人工透析なしには生命を維持できなくなるケースがある。

糖尿病性神経障害
血糖値により血管ダメージを受け、酸素や栄養が末梢神経の細胞に行き渡らなくなり、神経組織が障害を受ける病気。
この病気になるとささいなケガが原因で足などに壊疽が起こり、切断に追い込まれる場合もある。



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注目
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上記3つの症状は、動脈と静脈をつなぐ細い血管が傷むことで起こる病気です。
血糖値が高い状態が続くと、
太い血管もダメージを受け、
全身の動脈硬化が進み、
狭心症・心筋梗塞などの心疾患や、脳卒中などの命にかかわる病気にもかかりやすくなってしまう。

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大切... 日本人は糖尿病になりやすい
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血糖値が上がらないように、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足を改善して
血糖値が上がらないよう気を配ると同時にインスリンの働きが低下しないよう良質な睡眠をとること。




40分の徐波睡眠で糖尿病を予防
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糖尿病を予防するには?
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●少なくとも6時間は確実に眠りましょう。
 (どんなホルモンであれ、多く分泌されるのは徐波睡眠のとき)

●インスリンの働きがいい身体を作るには、
 徐波睡眠を毎日一定時間とることが欠かせません。
 その目安は40分!
 (徐波睡眠は総睡眠時間の15%程度しかないため、
 40分の徐波睡眠を確保するには最低でもトータル6時間の睡眠が必要)

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メラトニンを多く分泌するには?
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●眠る前に部屋を暗くする
(メラトニンは照度が低いほど分泌されやすくなるため、眠りたい1~2時間前から部屋の照明を落としておくのが秘訣です)

●メラトニンを服用してもOK

メラトニンは脈拍・血圧・体温を下げて深い眠りを促す働きがあり、
分泌が増えるほど徐波睡眠を長くできる。
しかも、メラトニン自体にインスリンの働きを高める効果もある。

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