睡眠について〈2〉



睡眠について〈2〉
高血圧・糖尿病・がん・認知症・うつと睡眠の大切さ

高血圧を治したければ、睡眠時間を1時間のばしなさい


短い眠りが動脈硬化と高血圧を引き起こす
高血圧症は、日本人の死亡原因の上位を占める疾患症と脳卒中に共通する危険因子。
30歳以上の日本人の4割がかかっている国民病です。
高血圧を起こす生活習慣には、
塩分のとりすぎや過食のほか、ストレス・喫煙・飲酒・運動不足等がよく知られている。
実は睡眠障害も血圧を上げる原因として大きくクローズアップされるようになっている。

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注目
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そもそも高血圧の何が問題といえば、動脈硬化をおこすこと。
動脈硬化とは動脈が硬くなったり、もろくなったりすることで、
血流が悪くなったり、血管がふさがったりする現象。
血圧が高まると動脈硬化が進み、動脈硬化が進むとさらに血圧が高くなる。
血圧が怖いのは、全身の血管に動脈硬化を起こし、命に関わる実にさまざまな病気の原因を作り出す。


心臓に血液を送る冠動脈に動脈硬化が起き、血液の流れが途絶えれば「狭心症」になり、
冠動脈が完全に詰まれば「心筋梗塞」になる。

心臓から伸びる血管の大動脈にコブができる「大動脈瘤」が破れると「大動脈瘤破裂」

腎臓の細胞動脈や硬化が進むと、腎臓機能が低下し「腎硬化症」になり、
さらに腎機能低下が進めば「腎不全になり、 やがては人工透析をせざるを得なくなる。

一方、脳の動脈に血栓が詰まることで起こるのが「脳梗塞」です。
「脳出血」はもろくなった脳の細動脈に血液が勢いよく流れ込み、破れることで起こります。


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重要
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動脈硬化という、たったひとつの危険因子が身体中の血管や臓器に悪影響を及ぼし、突然死や麻痺などの後障害を招く。




良い睡眠習慣を取り戻せば高血圧は改善する 
なぜ睡眠不足が血管をボロボロにし、高血圧の原因を起こすのでしょうか?
そこに大きく関わるのが自律神経です。
血圧も自律神経の動きとシンクロします。
健康な人の血圧はふつう交感神経が働く日中に高くなり、副交感神経が優位になる夕方以降に下りはじめ、睡眠中は低い状態で維持します。
睡眠不足が続くと交感神経が夜も活発に働き続けてしまい、
結局はフル稼働を強いられて、、高血圧となる。


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重要
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きちんとした睡眠習慣を取り戻せば、
副交感神経が優位になる時間が増えて血管が修復され、血圧は改善される。


1日平均睡眠時間が7時間以下で、血圧高めな男女22人を対象に、
1日の睡眠時間を1時間増やす実験を6週間行ったところ、
それだけで血圧が8~14㎜Hgも低下した。


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重要
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毎日6.5 ~ 7.5時間コンスタントに眠れば血圧の上昇は抑えられる。
せめて6時間は睡眠をとりましょう。
5時間をきると高血圧を発症するリスクは一気に高まる。




女性は更年期以降、男性は30代で高血圧リスクが増大
男性の場合は、20代までは血管がやわらかいため、
多少睡眠が不足しても血管がボロボロになる恐れはそれほど高くない。
また、60代以降はすでに血管が硬くなっている場合が多く、
睡眠不足が原因で血圧が上がるケースはまれ。
とくに注意が必用なのは30~50代。
この年代のリスクが高いのは、加齢で血管が硬くなる・働き盛りのストレス・酒量が増えがち・太りやすかったりするため。

女性は、女性ホルモンに血管の収縮や老化を防ぐ働きがあるため、
一般の女性は男性より血圧が低め。だが、それも30代まで。
更年期を迎えて女性ホルモンの分泌が減ると、
女性も男性も同様に血圧がぐんと上がりやすくなる。

結論、危ないのは中年以降の男性と、更年期以降の女性です。
睡眠の力で若々しい血管を保てば、
心疾患や脳卒中のリスクが減り、健康・長寿につながる。



薬でも血圧が下がらないのは睡眠中の無呼吸が原因のことも
食事内容に注意し、運動療法にまじめに取り組み、薬も欠かさず飲んでいる。
それでも全く血圧が下がらない。。
このタイプの人の血圧が下がらない原因は、睡眠中の無呼吸。

3種類以上の降圧剤を使っていても血圧が目標値まで下がらない高血圧は、
治療抵抗性高血圧。
この高血圧は心疾患や脳卒中、2型糖尿病や腎不全などになる確立が高い、
大変危険な慢性疾患です。


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注目
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近年の研究で、治療抵抗性高血圧患者の8割が
睡眠時無呼吸症候群であるのとがわかる。


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参考・・睡眠時の無呼吸が高血圧を悪化させるメカニズム・・
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呼吸法が正常なら、起きていても眠っていても
血中酸素濃度は96~100%をキープ。
重症の睡眠時無呼吸症候群の患者の睡眠時の血中酸素濃度はなんと60%にダウン。
これはエベレストなど8000m級の山頂にいるのと同じ異常な低酸素状態)
このような状態になると脳は低酸素状態から抜け出そうと交感神経を必死に働かせ、脈拍を早め血圧を急上昇させます。
ただこれは、酸素が少ない場所で懸命に走っているようなもの。
あえぎながら全力疾走が一晩中繰り返されるのですから、
身体の臓器に相当な負担がかかる。
特にダメージを受けるのが「心臓」。
酸素を求めて一生懸命に胸筋や横隔膜を広げようとするものの、
気道がふさがり空気が入ってこないため、胸腔内の圧力は急低下。
心臓肥大や不整脈の原因になりかねない。
また、胸腔内の圧が落ち、血圧が下がると、
脳が交感神経を刺激し、血圧を上げよう働きかける。
すると心臓はより多くの血液を送り出そうと拍動を早め、血管を激しく収縮。
その結果、動脈硬化で細くなっていた心臓の血管に血栓が詰まり、
心筋梗塞が起こることもある。

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重要!
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無呼吸は血管を傷めつけ、睡眠中、繰り返し低酸素状態になり、
血管内の細胞に炎症が起きます。
すると血管は硬化が起こり、弾力がなくなる。
血管が裂けたり、破れたりします。

・脳の血管が切れれば、「脳出血」や「くも膜下出血」になる。
・心臓の血管が裂ければ、「大動脈剥離」になる。

一方、睡眠時無呼吸症候群を治療しただけで、
治療抵抗高血圧が劇的に改善され、
他の合併症も芋ずる式に良くなるケースもけして少なくない。

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