女性の病気 徹底検証 ~西洋医学的考え~ 子宮の病気…⑩

子宮体がん


どう治す?
大きく分けて4つの治療方があります。

「手術療法」
「放射線療法」
「化学療法」
「ホルモン療法」


原則として、まず「手術療法」を行います。
そして、 その際の病理検査の結果などにより、ガンの進行期の分類がされ、
手術後の治療方針を検討するのが一般的です。

手術結果、再発の可能性がないと判断されれば、経過観察となります。
進行期が進んだものであったり、リンパ節にもガンが転移していたり、
その後に再発しそうな危険因子がある場合には「術後補助療法」として、放射線療法や化学療法が行われます。

「ホルモン療法」は、主に初期ガンで将来妊娠を希望する人のために子宮を残す治療法として行われます。

それぞれの治療にはマイナス面もあります。(▶︎ 2017年1月バックナンバー参照
自分の治療がどのようなものになるのか説明を受けるようにし、
きちんと理解し納得してのぞむことが大切です。



子宮体がんの術後進行期分類




手術療法について
子宮体がんの手術はガンを取り除くため、また、がんの広がりなどを観察して
病気の進行期を確定し治療方針をたてるために行われます。

体がんは卵巣にも転移しやすいため、手術では子宮の全摘出に加え、
卵巣・卵管を切除(両側付属器切除術)するのが一般的です。

そして、がんがリンパ節や骨盤内に広がっているか、どのくらい深く浸潤しているか、
また、がんのタイプなどについて摘出したものもくわしく検査し、最終診断されます。

ガンがあきらかに広がっている場合、広汎子宮全摘術になることもあります。
▶︎ 2017年1月バックナンバー参照



放射線療法について
放射線をがん細胞に照射して、がんを小さくする治療方。
手術の結果がんが子宮の外側に広がっていたり、手術ではすべて切除し切れなかったりした場合にも行われます。
頸がんには効果的ですが、体がんには効果がやや低いともいわれています。



化学療法について
抗がん剤を使用した治療法です。
放射線療法同様に、手術の結果、再発のおそれがある場合に行われます。
3~4週間の間隔で、5~6回の投与が一般的です。
再発・転移の場合も行われ、その場合、術後とは違う抗がん剤が使われることもあります。



ホルモン療法について
黄体ホルモンを投与して、がん細胞の成長を抑える治療法です。
この治療は、将来妊娠を希望する人に行われることが主です。
そのためには、ガンが 0期 やⅠ期の初期だと判断されることや、
がんのタイプなどの条件をクリアすることが必要です。
いくつかの条件を満たすのはとても難しいものとなっています。
ホルモン療法の際には子宮内膜掻爬も行われます。
治療の期間中は、定期的に内膜の組織検査やMRI検査・血液検査など行って
結果を確認しながら治療を進めていきます。

再発のリスクが高いため、治療の結果がみられて異常が消えたら、早めの妊娠・出産が望まれます。
逆に、何ヵ月か続けても治療の結果がみられなければ、
手術で子宮を摘出することもやむをえません。

……ホルモン療法のマイナス点……
血栓症や肝機能場外を起こすことがあり、もともと血の固まりやすいタイプの人には行えません。
また、ホルモン療法の結果がみられないこともあり、その場合はがんが進行してしまうことも考えられます。



術後の生活を考える。
がんをとり除くために、子宮や卵巣などを摘出することで、
術後につらい障害が出ることがあります。


《広汎子宮全的術後に起こりやすい症状》
・排便・排尿のための神経が傷ついて便秘になる
・便がうまく排泄できない
・尿意を感じない
・尿が出にくい


閉経前に両方の卵巣を切除してしまうと、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌がなくなり、更年期障害と同じ症状が起こることもあります。


《起こりやすい症状》
・のぼせ
・ほてり
・イライラ
・憂うつ


最近ではがんを治すことだけつだなく、できるかぎりその後の「QOL(生活の質)」がよいものになるよう考え、治療法が選択されるようになってきています。
自分でも予め手術後の生活などのような影響があるかを聞き
不安なことはどんどん質問しましょう。

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