女性の病気 徹底検証 子宮の病気…①


子宮膣部びらん

主な症状:おりもの / 不正出血 など

●どんな病気?
子宮の入り口付近のことを子宮膣部といいます。
この部分が赤くなってただれを起こしている状態を子宮膣部びらんという。
ただれた様に見えるものは「仮性びらん」。
本当にただれているものは「真性びらん」。と区別します。

子宮膣部のびらんの大多数は「仮性びらん」。
月経のある女性の多くに見られる生理的なもので、病気ではない。
自覚症状がないことがほとんどですが、
びらん部分は細菌や刺激に抵抗する力が弱い。
そのため、おりものが増えたり出血したりすることがあります。

子宮膣部の粘膜が傷つき、むけてしまったのが「真性びらん」。
ごくまれに起こります。

●どう治す?
不正出血などの症状が強い場合は、薬で炎症をしずめます。
電気メスやレーザーメスを使ってびらんを焼く治療を行う事もあります。
仮性びらんは病気ではなく、症状が強くなければ治療も必要ないものです。
びらんができる部分は子宮頸癌が発生する場所と同じで、
頸癌の初期病変がびらんと似ている。
そのため、癌の病変がないかを検査する事が大切。
その時の診断がびらんでも、定期的に検査を受けた方がよいでしょう。




子宮頸管ポリープ

主な症状:不正出血 / スポーツの後の出血 / おりものなど

●どんな病気?
子宮頸管の粘膜が増殖し、腫瘍(ポリープ)ができる病気。
子宮頸管の炎症がきっかけでできるのではないか、と言われている。
2~3㎜ の小さなものから1㎝ ほどのものまで、大きさやできる個数はさまざまです。
子宮口から膣のほうにはみだしているので、検診で見つかることが多いです。
痛みや違和感はありませんが、ポリープはやわらかくて少しの刺激でも出血しやすい。
スポーツなどの後に出血したり、特になにもしなくても不正出血があったりします。

●どう治す?
小さく、症状もないポリープはそのまま経過をみる。
あずき大以上の大きさや、不正出血など繰り返すポリープは手術で切除します。
簡単な手術ですので、痛みも出血もなく、通常入院せずに行えます。
妊娠中に見つかることもよくあり、切除は可能です。
ただし、妊娠中は出血しやすいので、妊娠週数やポリープの大きさなどから判断します。
そのまま経過をみることもあります。
ポリープは再発を繰り返しやすいため、
切除後も1年に1度ほど定期的に検診を受けることが望まれます。




子宮内膜ポリープ

主な症状:過多月経 / 月経痛不正出血 / 不妊など

●どんな病気?
子宮内膜が過剰に増殖し、子宮内腔に腫瘍(ポリープ)ができる病気。
エストロゲン(卵巣ホルモン)が影響してできるのではないか、と考えられている。
1㎝ 以下の小さいものから、数センチほどに大きくなるもの、複数できる場合もある。
月経痛や過多月経などの症状がみられますが、無症状の場合も多くあります。

問題となるのは…
ポリープが受精卵の着床の邪魔をするため不妊の原因になることや、
過多月経による貧血になることです。


●どう治す?
子宮内膜を掻爬してポリープを摘出します。入院せずに行える手術です。
また、子宮鏡下手術でポリープを切除する方法もあり、
こちらも通常入院の必要はなく外来で行えます。(できる施設が限られる)

子宮鏡下手術子宮の中を見るカメラで観察しながら、
ポリープを切除するので取り残しがなく処理が確実に行える。




子宮頸管炎・子宮内膜炎

主な症状:おりもの / 下腹部痛・腰痛 / 発熱など

●どんな病気?
子宮に起こる炎症。
炎症が起きている場所が
頸管なら … 子宮頸管炎
内膜なら … 子宮内膜炎

初期にはおりものの増加がみられ、 悪化すると悪臭のあるうみ状のおりものや、下腹部痛などの症状があらわれる。

原因となるのは、大腸菌やブドウ球菌、クラミジア、淋菌などの感染症です。
クラミジアの感染ではあまり自覚症状がないことが多く、慢性につながることもあります。
出産や流産の後は内膜に傷があり、抵抗力がおちていて菌に感染する危険性が高い。
体をやすめ、清潔を心がけることが大切です。
ほうっておいて炎症が広がると子宮筋層炎、卵管炎、卵巣炎を引き起こし、
骨盤腹膜炎にまで進行することがあります。


●どう治す?
おりものの一部を採取して培養し、炎症を起こした原因を調べる。
その菌に合った抗生物質などで治療します。
症状によっては消炎剤もあわせて使います。
治療中は清潔に保つよう、通気性の良い下着を選ぶようにしましょう。
完全に治さないと慢性化につながります。
症状が軽くても自分で判断せず、
医師の指示に従って最後まで治療を続けることが大切です。

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