女性の病気 徹底検証 ~西洋医学的考え~ 女性とホルモン vol.4

月経・ホルモンの異常について



月経前症候群
毎月、月経の1週間前ほどからさまざまな不快症状が起き、
月経が始まると症状が軽くなる。あるいは解消する。
月経緊張症とも言われている。

原因は…
月経前に急激に増加する黄体ホルモンが関係し
症状が起こるのではないかと考えられている。
感情をコントロールする神経伝達物質セロトニンの減少や、
カルシウムやビタミンB群の不足の関与も指摘されている。
その人の性格や環境などからくるストレスも、この病気の大きな要因。

症状を軽くするための心がけ
●自分の月経周期、症状を把握する
基礎体温を計って月経前の時期を知れば、心の準備もできます。
症状も書き出すなど整理しておくと対策もたてやすいでしょう。

●基礎正しい生活をする…
栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を基礎正しくとることは、
健康に過ごすための基本です。

●適度な運動をする…

気分転換のためにも日ごろから適度に体を動かすことは効果的です
無理のない程度に行いましょう。

●塩分やカフェインをひかえる…

塩分を取り過ぎるとむくみやすくなるのでひかえめに。
コーヒなどに含まれるカフェインは症状を強くするといわれます。

●リラックスする…
心や体の緊張は症状を悪化させます。リラックスタイムを持ちましょう。
アロマセラピーや半身浴などが効果的です。




月経困難症
主な症状として、
下腹部の強い痛み・腰痛・頭痛・吐き気・むくみ・眠気・不眠など。
月経中に日常の生活に支障が出るような強い症状がある場合、月経困難症とされます。

月経困難症は
機能性月経困難症
器質性月経困難症
の、2つに分けられている。

機能性月経困難症
特に異常がないのに、体質などによって症状が起こるもので
月経困難症の多くがこのタイプ。

・子宮を収縮させる働きのある生理活性物質(プロスタグランディン)
 の分泌量が多く、月経痛を起こす。
・若い時には子宮や卵巣の未成熟、子宮頸管が細長く狭いといった原因。
・冷え性等、ストレスで血行が悪いことが症状を重くする。

器質性月経困難症
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となって症状が起こるもの
器質性月経困難症と いう。
腰痛が急に強くなったり、だんだん痛みが増すし、
鎮痛薬を3~4日も飲まないといられなかったりする場合は器質性。

対応策…
器質性の場合は、問題になっている病気を治療することが一番重要。
(腰回りを温めたり血行を良くする、基礎正しい生活をしホルモンバランスを正す)

参考…
月経症候群や月経困難症はタバコを吸う人はなりやすく、
禁煙することで症状が改善する。




月経不順
主な症状として、
月経周期が長い・短い、 経血量が多い・少ない。

・頻発月経・稀発月経(先月参照
・過長月経・過短月経




無月経
主な症状として、月経が止まる。
妊娠中や授乳中ではないのに、3ヶ月以上月経がない状態を無月経という。
原発性無月経続発性無月経 とに大きく分けられる。

原発性無月経
18才を過ぎても初経がない場合を原発性無月経という。
染色体の異常・男性ホルモンの多量分泌といった原因があげられる。
15才を過ぎて月経がなければ病院へ。

続発性無月経
月経があったのに止まってしまった場合を続発性無月経という。
これは、その多くが視床下部の機能障害によって起こる。
視床下部無月経です。

注目…
視床下部に障害を起こす大きな要因は、
失恋や受験・生活環境の変化といった精神的ストレスと過度のダイエットです。
・ストレスから起こる無月経 → 心因性無月経
・ダイエットから起こる無月経 → 体重減少性無月経
過度の運動や過労も無月経の要因となる。

更に、高プロラクチン血症や甲状腺機能障害、
子宮内膜の炎症や癒着などの病気が原因となっていることもある。

続発性無月経は、
エストロゲンの分泌が維持されている → 第1度無月経
エストロゲンも分泌不足になっている → 第2度無月経
この2つに分けられる。

対応…

ストレスやダイエット等、原因と考えられる事項を解消することが大切。
無月経が長引くと卵巣機能が戻りにくくなり、
エストロゲン不足が肌や骨に悪影響を及ぼす。




早期卵巣不全(POF)
主な症状として、
月経が止まる・不妊・のぼせ・動悸・不眠など。
卵巣機能が若いうちに低下してしまう、まれな病気。
日本人の閉経の平均年齢が50才なのに、40才未満で閉経状態になってしまう。
早い場合は10代でも起こる。
採血し、ホルモン値をみると、通常とは全く違う値のため
2回(1ヶ月に度ずつ)検査すれば診断できる。

原因…
原因不明が多いが、遺伝的な要因、膠原病など自己免疫疾患、放射線治療や抗がん剤が及ぼす影響などが原因として考えられる。

対応…
西洋医学はエストロゲン・プロゲステロンを周期的に投与するホルモン療法を行う。




多のう胞性卵巣症候群(PCOS)
主な症状として、
月経周期が長い・月経が止まる・不妊・肥満など。
卵巣の外側の皮膜がかたくなって排卵しづらくなり、
卵巣内に卵胞がいくつも発育する病気。
超音波検査では、卵巣内に卵胞の小さな袋がたくさん見え、黄体ホルモンの分泌が多くなる特徴もある。
排卵がきちんと行われないため、月経不順や不妊につながる。
肥満も症状のひとつ。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかる確率が高くなる。

対応…
西洋医学はホルモン療法で人工的な月経を起こします。




高プロラクチン血症
主な症状として、
月経不順・月経が止まる・不妊・乳汁がでる。
プロラクチンは下垂体から分泌されるホルモンで、この作用で母乳が作られる。
通常は妊娠中や授乳期中に多く分泌されるが、
そうでない時期に過剰に分泌される病気が、高プロラクチン血症。
プロラクチン値が高いと「視床下部→下垂体→卵巣」などのホルモン分泌が乱れ、
月経不順や無月経を起こす乳汁が分泌される。

原因…
下垂体の腫瘍、胃潰瘍、精神科で処方される薬の影響、
甲状腺機能低下などがあげられる。

対応…
原因を探り対応する。プロラクチンを下げる薬がある。

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