体が若くなる技術〈2〉vol.1

体が若くなる技術 〈2〉vol.1
「老いる仕組み」と「若返る仕組み」〜



浦島太郎は「おじいさん」ではなく「病人」になっていた

平均寿命はのびたのに「ヒトの寿命(最長寿命)」は変わらない。
何故…。それは「老化」。人間である以上避けられない現象。
人間にとって「死」と同じく避けられないのが「老化」。
「老化」は「死」ほど平等ではない。


もそも「老化」はどのような現象なのでしょうか。
「老化」は時間をかけてゆっくり起きる現象。
人はどんな人でも必ず死ぬ。「死」に至る過程で体の機能は少しずつ衰え、
この衰えは逆行させることはできない。
つまり「老化」という現象を逆戻りさせることは不可能。
「老化」は加齢に伴って少しずつ起きる変化。
なので、浦島太郎の変化は、科学的に分類すると、あれは「病気」。


老化はなぜ避けられないか?
生命進化の歴史の中でエネルギーを生み出す材料として「酸素」を使うことを選んでしまったから、私たちは老化することになった。
私たちは呼吸をしないとすぐに死んでしまう。
生きるために必要不可欠なエネルギーをつくるのに「酸素が必要」。
効率よくエネルギーをつくり出すために酸素はとても有用。
しかし、体内に取り込まれた酸素の一部はエネルギーを作る過程で、
どうしても体に有害な物質に変わってしまう。
それが「活性酸素」。
活性酸素が体に有害なのは、酸化力が強く、細胞のなかのものをその強い酸化力で傷つけてしまうから。
中でもっとも深刻な被害が遺伝子を傷つけてしまうこと。





私たちの遺伝子は「1日に10万ヶ所」も傷ついている

遺伝子の傷は活性酸素によるものだけではなく、
細胞が生まれ変わる際の「コピーミス」という形でも生じる。

私たちの体は、約60兆個の細胞によって構成され、その細胞が定期的に「入れ替り」をすることで生命活動を保っている。メンテナンスを行っているようなもの。

人の細胞は年齢・個体によって差がある。
おおよそ1日に200個に1個の割合(0.5%)で新しいものに入れ替わっています。
昨日の自分と今日の自分は、見た目はまったく同じに見えるが、構成している細胞の0.5%は新しいものに入れ替わっている。
昨日と違う自分、この自分のコピーをつくるときにコピーミスが起きてしまう。

注目
私たちの細胞の遺伝子はさまざまな要因によって日々傷ついている。
・エネルギー製造過程の活性酸素
・細胞の入れ替えの際のコピーミス
・ストレスによって誘導された活性酸素
・UV、発癌物質etc

「遺伝子の傷の蓄積」こそ、老化の正体。一番大きな原因は活性酸素です。

では、どの位の遺伝子が傷ついているか?
何も外的要因がなかったとしても、
1日当たりひとつの細胞で10万ヶ所以上も遺伝子は傷ついている。
1年で3650万ヶ所。
10年で36500万ヶ所傷つくことになる。





人間は生まれつき老化しないようにできている

これほど多くの遺伝子が傷つくのに、人間の寿命は最長120年。
「体が若くなるシステム」を生まれつき持っている。

活性酸素を取り除く酵素「SOD」をたくさんつくることができる
ほかの動物もSODは持つが人間は他の動物よりSODをつくる能力が飛び抜けて高い。
(チンパンジーに比べヒトは2倍のSOD)
遺伝子の修復能力
人間はほかの動物より優れている。
コピーミスや外的要因によって生じる遺伝子の傷を検知して直せるものは修復し、
ダメなものは廃棄するという機能が備わっている。
人間はこの能力がほかの動物と比べても高い。

以上、この2つのシステムが優れていることが、人間の長寿の理由。
活性酸素が生む「老いる仕組み」を、豊富なエネルギーがもたらす「若返る仕組み」によって解消しているとも言える。

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