女性の病気 徹底検証 ~西洋医学的考え~ 卵巣の病気…②



◇卵巣腫瘍(良性)
主な症状:下腹部のはり・下腹部痛・腰痛・頻尿・便秘 など



どんな病気?
卵巣に腫瘍ができて、大きくはれる病気。
卵巣にできる腫瘍にはさまざまな種類があります。
およそ90%は良性ですが、
腫瘍が良性のものか悪性のものかの区別がまず重要です。
良性・悪性を区別する時に大きな出掛りとなるのは、腫瘍の内容物です。
卵巣腫瘍は内容物が液体状の「のう胞性腫瘍」と、かたまりの「充実性腫瘍」のふたつに大きく別けられます。


●のう性腫瘍
卵巣腫瘍ではもっとも多いもので、
卵巣の中に分泌液がたまってはれたものです。
そのほとんどが良性の腫瘍「卵巣のう腫」です。
ですが、液の中に充実性の部分がある場合は悪性のことも考えられ、注意が必要です。



●充実性腫瘍
こぶのような固いかたまりができます。
悪性のものは多くはこのタイプです。
中には良性のものや、悪性と良性の中間に位置するものもあります。

どちらの場合も腫瘍が小さいうちは自覚症状がありません。
大きくなるにつれ、下腹部がふくらんだりしますが、
それもただ太ったと感じる人がほとんどです。

そのため、ほかの病気のための検診を受けたときに、
偶然発見されることが多い病気です。
ある程度大きくなった卵巣が、何かのきっかけで根元からねじれる「茎捻転」といわれる状態になることがあります。
そうなると、突然強い下腹部痛や嘔吐などの症状が起こります。
茎捻転が起こったら、ねじれた部分から血が回らなくなり、卵巣が壊死する危険があります。腫瘍の種類や大きさに関係なく緊急手術が必要です。



検査は?
腫瘍のほとんどが良性ですが、なかには悪性のものもあるため、
検査では良性・悪性の判断が大切です。
問診、内診のあとは、超音波検査を行います。
ここで、良性か悪性かのだいたいの見当がつけられます。
さらにしっかりと見きわめるため、血液検査やMRI検査を行います。
最終的に手術で摘出したものをみないと診断が困難な場合もあります。


どう治す?
悪性か疑われる場合や、大きさが5~6㎝以上の場合には手術をします。
良性と考えられるものには、体への負担が軽く傷あとも小さい、腹腔鏡下手術を行うことが増えています。
良性で腫瘍がまだ小さければ、経過観察が選択されることもあります。
ただ、一度良性と診断された腫瘍も、定期的な観察は欠かせません。
急激に腫瘍が大きくなるような場合は悪性が疑われ、注意が必要です。



手術には、一般的に次のような種類があります

のう腫核手術
のう腫部分だけ摘出します。
まだ若く、これから妊娠・出産の可能性がある人には、できるだけこの方法をとります。


付属器摘出手術
腫瘍か大きかったり、ほかの臓器との癒着がみられるようなときは、卵巣と卵管をあわせて摘出(付属器摘出)します。
卵巣はふたつあるため、片方の付属器をとり除いてたとしても、妊娠・出産は可能です。
再発の可能性が残るため、閉経後の場合などには両方の付属器の切除をすすめられることもあります。悪性が疑われたり、癒着がひどいときには子宮も一緒に摘出することもあります。

卵巣腫瘍の治療は、腫瘍の種類や大きさ、その人の年齢やこれからの妊娠・出産の希望などを考慮して決められます。
どのような治療なるか、手術をするならその時期や摘出する部分などをしっかり確認して、疑問があれば質問しましょう。納得できなければセカンドオピニオンなどを求めてもいいでしょう。


手術をするケ―ス
●悪性が疑われるとき
●腫瘍の大きさが5~6㎝のとき
●茎捻転をおこしているとき



卵巣腫瘍の検査と診断の流れ

良性か悪性かを判断するためには、ひとつの検査だけでなく、複数の検査が必要です。
その結果から総合的に診断されます。



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