女性の病気 徹底検証 ~西洋医学的考え~ その他の病気…②



甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
主な症状:首のはれ、動悸、息切れ、微熱、発汗、下痢、体重減少、手のふるえ、疲れやすい 等



どんな病気?
前頸部にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが、過剰に分泌されている状態。
甲状腺が働きすぎて起こる「バセドウ病」です。

甲状腺の炎症や自己免疫性疾患が原因でホルモンが出てしまう一過性の「亜急性甲状腺炎」「無痛性甲状腺炎」などがあります。
日本では90%以上がバセドウ病によるもののため、甲状腺亢進症といえばバセドウ病と示すことも多くみられます。

バセドウ病は、甲状腺に対する自己抗体である抗TSH受容体抗体が生産されてしまう自己免疫疾患です。なぜそうなるかはよくわかっていません。
TSH受容体は甲状腺のTSH受容体という甲状腺ホルモンの生産を促す受容体を刺激するため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうのです。
 遺伝的な体質の影響が多いとされ、頻脈・甲状腺のはれ・眼球の突出が特徴的な症状ですが、すべての人にみられるわけではありません。
自己免疫疾患は女性に多くみられ、バセドウ病も20~30代の若い女性に多く、患者数は男性の4~5倍になるといわれます。
 
 
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甲状腺が亢進すると…

甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、
代謝や各臓器の働きが必要以上に活発になり、次のような症状が。

眼球突出・動悸・息切れ・暑がり・
発汗・頻脈・すぐ疲れる・イライラ・
気分高揚・情緒不安定・食欲増進・
体重減少・血圧上昇・月経不順・
無月経・早口・成績低下
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ο甲状腺ホルモン
全身の多くの臓器作用し、成長・発育にも関係し、
エネルギー生産や代謝、心臓の機能を調節するなど、生命を維持するために大切な働きをしています。
女性ホルモンとリンクしているとされ、甲状腺機能障害は女性に多くみられます。
 



どう治す?

バセドウ病
治療方は大きく3つあります。
はじめに行われる治療法は、
甲状腺ホルモン合成を抑制する抗甲状腺剤を服用する方法です。
TSH受容抗体が陰性化するまで量を調整しながら服用するため、数年間の投薬が必要となります。

2つ目は、
甲状腺を一部残してとり除く手術療法で、抗甲状腺剤の効果がない場合や副作用が強く出た場合、甲状腺のはれが大きい場合などに行われてます。

3つ目は、
放射性ヨードという、甲状腺の細胞を破壊して過剰なホルモン合成を抑える放射性の薬を服用する方法です。薬は一回の服用だけですみます。抗甲状腺剤による治療も手術も行えない場合の治療で、この治療は妊婦や近いうちに妊娠を希望している人には行えません。
 
 
亜急性甲状腺炎・無痛性甲状腺炎
ウィルス感染や自己免疫疾患が原因で甲状腺が破壊され、一過性に甲状腺機能が亢進するもの。どちらも自然に治るため、症状が軽ければ様子をみるだけで特に治療の必要がないことがほとんどです。症状によって、動悸を抑える薬や、炎症を抑える薬などが使われます。 
 
 
 
 
 


甲状腺機能低下症
主な症状:皮膚の乾燥、冷え、むくみ、便秘、抜け毛、体重増加、倦怠感、眠け、もの忘れ、月経異常 等



どんな病気?
甲状腺ホルモンの分泌が不足している状態です。
体のさまざまな働きが悪くなり、多くの症状があらわれます。
症状が似ているため、更年期と勘違いされることもよくあります。
甲状腺低下症になるのは、ほとんどの場合「慢性甲状腺炎」のためです。
慢性甲状腺炎は「橋本病」ともいわれる病気で、甲状腺の細胞を異物とみなして攻撃する抗体ができる自己免疫疾患です。
なぜ起こるのかよくわかっていませんが、遺伝的な要因も大きいといわれています。
中年女性にに多く、幅広い年代にみられますが、年齢とともに増えていく傾向にあります。
甲状腺がかたく、はれてきますが、初期には気付きません。
潜在性の人も含めると多くの人にみられる病気です。 
 
 

どう治す?
「慢性甲状腺(橋本病)」は甲状腺機能低下症を起こしたり、甲状腺のはれが大きくなって気管を圧迫するなどしなければ、特に治療は必要なく、様子を見ます。
甲状腺低下症の症状が出てきたら、甲状腺ホルモン剤を服用し、ホルモンを補います。
このホルモン剤はホルモンが低下している間は服用を続けなければいけませんが、副作用もなく、妊娠しても胎児に影響しません。
甲状腺のはれも、この薬で小さくなることがあります。
はれが、気管を圧迫するようなことがあるときには、手術が行われることもあります。
慢性的甲状腺炎の人がホルモンの原料となるヨードを多く含む海藻類を食べすぎると、症状が悪化したり、薬の効果が悪くなったりする場合があります。
この病気を持っている人は、のり・こんぶ・わかめ・ひじきなどの海藻類をひかえるようにすることが必要です。
 
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甲状腺機能が低下すると…


代謝やエネルギー生産に関係する甲状腺ホルモンが不足し、
体のさまざまな働きが悪くなって次のような症状が

冷え・寒がり・皮膚の乾燥・むくみ・
発汗減少・倦怠感・食欲不振・便秘・
体重増加・眠気・
動作や話し方がゆっくり・
やる気がない・声がしわがれる
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