女性の病気 徹底検証 ~西洋医学的考え~ 卵巣の病気…①



◇卵管炎・卵巣炎
主な症状:おりもの・下腹部痛・吐きけ・高熱・不正出血 ・排便痛・排尿痛 など


どんな病気?
卵管や卵巣が炎症を起こす病気。
卵管はとても炎症を起こしやすく、同時に卵巣まで炎症が及ぶことがほとんどです。
卵管と卵巣を合わせて子宮附属器というので、卵管炎・卵巣炎を合わせて子宮附属器炎ともいいます。

炎症の原因となるのは、
大腸菌やブドウ球菌・クラミジア・淋菌などの感染症です。
人工妊娠中絶や流産・出産時、タンポンの長時間使用などで膣に感染する。
多くの場合は腟炎から子宮頸管炎、子宮内膜炎と炎症が広がって附属器に炎症を起こします。

このように下から上に広がる感染経路は上行感染といわれ、
附属器炎がさらに広がると骨盤腹膜炎を引き起こします。
急性期には高熱が出たり、激しく下腹部が痛むなどな症状があり、おりものが増えます。
炎症が慢性化すると、熱などの症状はおさまりますが、直ったわけではありません。
卵管が周囲の臓器と癒着したり、卵管内にうみがたまって「卵管留膿症」になったりして、不妊や子宮外妊娠の原因になります。


どう治す?
急性期になるべく早く抗生物質や消炎剤での治療を行うことが重要です。
同時に、安静も重要なので、症状が強いときは入院して治療します。
通院して治療する場合や、退院後も、完治するまではできるだけ安静にし、無理は禁物です。
入浴なども医師の指示に従いましょう。
症状がおさまったからと途中で治療をやめてしまうと、慢性化や習慣化をまねきます。
慢性化によりほかの臓器との癒着がひどくなってしまった場合や、薬の投与と安静では症状が改善しない場合には、手術をして病巣をとり除くこともあります。





骨盤腹膜炎
主な症状:発熱・下腹部痛・腰痛・吐きけおりもの・不正出血  など


どんな病気?
卵管炎、卵巣炎から感染が骨盤腔に広がった炎症が骨盤腹膜炎です。
卵管炎や卵巣炎なども含めて「卵巣内炎症性疾患(PID)」ともいわれます。

高熱や激しい下腹部痛が主な症状で、おりものや不正出血も伴います。
下腹部の痛み方が虫垂炎と似ていることがあり、間違えられやすいので注意が必要です。

診察では、内診で圧痛やしこり、癒着があるかをチェックしたり、分泌物を調べたり、血液検査をします。
超音波検査やMRI検査を行う場合もあります。
腹膜炎からさらに炎症が進行すると、細菌が血液に入って全身に回る敗血症まで引き起こすこともある。そうなると命にもかかわってきますので、早めの治療が重要です。


どう治す?
高熱や強い痛みがある場合、絶対安静が必要です。
入院して抗生物質を投与する治療を行い、2週間ほどの安静は必要です。

炎症がひどくお腹にうみがたまっている場合は、開腹手術でうみを出したりドレナ―ジュを行ったりします。
ドレナ―ジュとは、服腔内に誘導管を挿入してそのまま留めておき、そこから服腔にたまったうみなど体外にとり出す方法です。

骨盤腹膜炎は症状が良くなっても、骨盤内の臓器の癒着が残ることがあり、下腹部の痛みをまねきます。
また、治療が長引いたり、再発を繰り返したりすると、不妊や子宮外妊娠のリスクが高くなっていきます。
完治するまできちんと治療を続けましょう。
その後は感染症への予防や、骨盤腹膜炎まで引き起こす前の早期の段階での治療を心がけることが大切です。

---ドクターズ アドバイス----------------
   性感染症に気をつけて
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卵管炎や卵巣炎、骨盤腹膜炎を起こす感染症の中に性感染症があります。
特に性器クラミジア感染症は、はやっていてそのために子宮附属器炎や骨盤腹膜炎にかかる人もいる。
骨盤腹膜炎になるとたいへんな痛みが伴い、治るまでには長い時間がかかります。
炎症がまだ軽いうちに治療を始めることが大切です。
性感染症による炎症を起こした場合は、パートナーも一緒に完治するまで治療を続けることが重要です。
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