女性の病気 徹底検証 ~西洋医学的考え~ 子宮の病気…④

子宮筋腫

主な症状:経血量が多い、月経の期間が長い、不正出血貧血、
     月経痛頻尿排便痛、下腹部のしこり・ふくらみ
     流産不妊


どんな病気?
子宮の筋肉の一部に硬いコブのような腫瘍ができる病気。
ほとんどは良性ですが、
まれに肉腫等の悪性の変化が伴う場合があります。
自覚症状がなく、子宮筋腫に気がつかずに過ごしている人も多くいると考えられる。
40歳以上の女性では、4人に1人が筋腫を持っていると思われます
(原因ははっきりわかっていない)

大きさは米粒ほどのものから、人の頭ほどになるものまでさまざま。
エストロゲン(卵胞ホルモン)の影響で大きくなり、
閉経後は小さくなる傾向があります。
複数できることが多く、できた場所によって「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」「粘膜下筋腫」の3つに分けられる。
それが同時にできる「多発性筋腫」もあります。

筋腫の場所や数、大きさによって症状は人それぞれで、
一般的に経血が多くなって期間も長くなるため、貧血やだるさを感じたりもします。
筋腫が大きくなると子宮が周囲を圧迫し、トイレが近なったり便秘になったりと いった症状も現れます。
筋腫の場所によっては不妊の原因となることもあります。




筋腫の種類

【筋層内筋腫】
子宮の筋肉の中にできる筋腫。
筋腫の70%を占めます。
小さいうちは症状が出ないので気がつかないまま大きくなる事も少なくない。
大きくなるにつれ内膜に影響し、子宮の収縮を妨げるようになり、過多月経を引き起こします。


【漿膜下筋腫】
子宮の表面をおおう漿膜の下にできる筋腫。
子宮の外側に向かって大きくなっていき、さわってしこりがわかる位になっても症状がほとんど出ないのが特徴。
『有茎漿膜下筋腫』というキノコのような茎をもつ筋腫ができることもあります。


【粘膜下筋腫】
子宮内膜のすぐ下にできる筋腫。
子宮の内側に向かって大きくなっていく。
発生の割合がいちばん少ない筋腫ですが、小さいものでも経血量がとても多くなるなどの症状が出やすいタイプ。
『有茎粘膜下筋腫』という茎をもつ筋腫ができることもある。
茎が長く伸びて筋腫が子宮口から膣内に飛び出すこともある。
その様な状態を『筋腫分娩』といい、不正出血が続くといった症状を引き起こします。


【多発性筋腫】
子宮筋腫がふたつ以上同時に発生しているものを多発性筋腫といいます。
数・大きさ・できる場所は人によりさまざまです。




検査は?
問診・内診・超音波検査が基本診察です。
筋腫があるかないか・大きさ・かたさ・位置など、内診と超音波検査でほぼ確認できます。
子宮腺筋症や悪性の子宮筋腫との区別をつけるために、さらにMRI検査や血液検査などを行うこともあります。


●子宮筋腫の経過観察
子宮筋腫全体の発症数から考えれば、治療をしなければならない症例の方が少ない。
筋腫があるとわかっても、症状が軽く、日常生活が支障なく送れるようなら経過観察(定期的に検査を行う)を選択することができます。
ただし、筋腫が大きくなったり、症状が強くなったりしてきたら治療を行わなければなりません。
めんどうだからと放置せずに、主治医の指示に従い3~6ヶ月ごとの検診を欠かさず受けるごが大切です。


経過観察を選択するケース
・筋腫が握りこぶし大以下のとき
・妊娠していて筋腫が妊娠に影響しないとき
・痛みや不快な症状が軽く貧血もないとき
・他の臓器に影響がないとき
・他の病気の合併症があるとき



子宮筋腫の検査と診断の流れ
(検査・診断は一般的に次のように行われます)

(1) 問診
月経量や期間のこと、おなかが張った感じや、貧血があるかないかといった自覚症状のほか、初経・流産・中絶経験の有無など質問して状況をつかむ。

  ↓

(2) 内診
腹部を触診し軽く押して、外側からお腹の様子を見たり、膣から指を入れて、中と外から挟
むようにする。子宮や卵巣の大きさ・かたさ・痛みぐあい・癒着があるかないか等がわかる。筋腫があれば子宮が大きくなっていて、デコボコやシコリにふれる。

  ↓

(3) 超音波検査
筋腫の位置・大きさなどをより正確に診断するために行われる。
お腹の上から器具をあてる経腹超音波検査と、膣内に器具を入れる経膣超音波検査があり、経腹は大きめの筋腫の検査、経膣は小さめの検査に向いている。

  ↓

(*) 場合により・・・


血液検査
筋腫があることがわかったら貧血の有無を調べる。
また、腫瘍マーカーの値を調べ、子宮腺筋症や子宮肉腫があるかどうかの判断の目安にする。

MRI検査・CT検査
筋腫の位置や大きさを確認。MRIでは組織の違いもわかるため子宮腺筋や子宮肉腫の判断も行なう。またMRIはX線を使用しないので妊娠の可能性のある人でも受けられる。

子宮鏡検査
粘膜下筋腫と筋層内筋腫との判別などをするため、膣から子宮鏡を挿入し、子宮の中を直接観察する。「ヒステロファイバースコープ」と呼ばれる細い子宮鏡なら、麻酔なしの検査が可能。

子宮卵管造影
不妊の場合、不妊治療もかねて行われることがある。
子宮口から細い管で造影剤を子宮内に入れ、X線撮影する。

子宮内膜組織検査
子宮の内膜組織を採集して、その組織がガンや肉腫でないか調べる。



次回は治療法です。

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