女性の病気 徹底検証 その1〈vol.2〉

更年期障害


更年期障害とは
閉経後に、誰にでも起こる体や心の不調。
毎日の生活にも影響を与えるほど、つらい症状が続いたら更年期障害です。


心身の不調の原因はエストロゲンの急激な低下
年を取ると共にさまざまな体の機能が衰えてきて、
あちこちに不快な症状が現れてきます。
特に女性は卵巣機能が衰えることにより、心身に多くの不調が起こります。

日本人の閉経の平均は約50歳。
卵巣機能が終わるのが閉経です。
閉経前後、更年期と言われる「45~55歳位」には、
卵巣機能の衰えから女性ホルモンに「エストロゲン」の分泌が急激に減少します。
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すると、もっとエストロゲンを分泌するよう脳下垂体から性腺刺激ホルモン(LH.FSH)
が分泌されます。
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衰えてしまっている卵巣は、刺激を受けても十分なエストロゲン分泌ができません。
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下垂体からは、どんどん性腺刺激ホルモンが分泌されます。
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その結果、ホルモンバランスが崩れて、体や心にたくさんの不調が現れてしまうのです。


性格や環境によって現れ方が違う
更年期の様々な不調を更年期症状といい、
日常生活にも支障をきたすほど重いものを更年期障害といいます。

エストロゲンの低下は、みな同じ様に起こっているのですが、
誰でも辛い更年期障害に悩まされるという訳ではありません。
症状の現れ方は人によって様々。
更年期症状の出方には、ホルモンの低下など身体的な要因だけでなく、
性格や社会的な環境などがかかわっていると考えられる。

ホルモンの変化が起こる更年期は、子供の自立・親の介護・キャリアアップなど家庭でも職場でも次のステップに進む変化が見られる頃。
生活習慣や周囲をとり巻く環境には人それぞれ大きな違いがあります。
たとえその時が似たような環境であっても、
それまでの人生経験や性格などによって、ストレスの受け取り方が違ってきます。

更年期症状はこうしたそれぞれが持つ社会的因子・心理的因子・身体的因子(更年期を引き起こす3つの要因)などが複雑に絡み合って引き起こす。
そのため個人差がとても大きいのです





更年期障害の代表的な症状
数ある更年期の症状の中でも多くの人が訴える症状。
自分の体調と重なるものがあるでしょうか。


ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)
更年期障害といえばまずあげられるほど、特徴的で代表的な症状。
暑くもないのに突然、顔や上半身がカーッとほてり、熱くなります。
同時に汗が出たり動悸がする人も多く、悪寒を感じる人もいます。
似たような症状の病気に甲状腺機能亢進症があります。
一般に甲状腺機能の異常のほてりは全身に起こり、更年期障害では上半身といわれます。


発汗
ほてり、のぼせと共に起こりやすいのが発汗で、
顔や首などに異常な量の汗をかきます。気温や運動に関係無く汗をかきます。


冷え
若い人にも冷え性の人は多く見られますが、
更年期には、上半身はのぼせているのに、手足や腰など体の一部の冷えが強くなる、
といった症状が現れます。
足が冷たくて、いつまでも寝付けないなど、不眠の要因になる事もあります。


めまい
めまいにはグルグル回っている様に感じるタイプと、
体がフワフワ・グラグラするタイプがある。
更年期によく見られるのは「フワフワ」と雲に乗っている様に感じるめまいです。
立ちくらみを起こす様になる人もいます。
めまいが起きたら静かに休む事。
*ただ、メルエール病や脳の病気がめまいの原因になっている事もあるので
症状が強い場合は検査が必要です。


頭痛
頭痛も更年期によくみられる症状のひとつです。
もともと頭痛持ちだった人の症状が悪化する事もあり、
なかには症状が軽くなる人もいる様です。
更年期の頭痛は、肩こりなどの筋肉の緊張からくる頭痛が多いといわれ、
目の疲労・ドライアイ・老眼なども原因です。
マッサージや入浴などで心身共にリラックスする事で軽減します。
また、高血圧や脳の血管障害などによっても起こります。
今迄にない強い痛みや、長く続く痛みがあったら、
脳神経科などで早目に検査を受けるようにしましょう。


動悸・息切れ
激しい運動をした後でもないのにドキドキと動悸がしたり息切れしたりします。
座っていたり寝ていたりしても起こるのが更年期の症状。
症状が起こったら深呼吸をして気持ちを落ち着けましょう。
ただし、心臓病や高血圧で起こる事もあるので、検査を受けておけば安心です。


肩こり・腰痛・関節痛
若くても肩こりや腰痛に悩む女性が多くいます。
血行が悪くなる更年期になればさらに増え、
筋力や骨の衰えも影響して、体のあちこちの関節が痛くなります。
普段から姿勢を良くし、同じ姿勢を続けないといった心がけが必要です。
血行を良くし、筋力の低下を防ぐため適度な運動が効果的。
痛みが激しい時は無理をする必要はありませんが、
動かないでいるとますます筋力が衰えてしまいます。
腰や膝は体重がかかるため症状も出やすく、
悪化させないためには体重管理も大切です。


不眠
なかなか寝つけない、夜中に目が覚めてしまう、
朝早く起きてしまう、などの不眠症状も更年期になるとよく起こります。
冷え・ほてり・発汗などで眠りが浅くなるといった事も要因です。
長期になると精神的に不安定になる事もあるので、
病院で相談して症状に応じた治療をしましょう。


イライラ・くよくよ
女性ホルモンのバランスが崩れると、精神的に不安定になりがちです。
ちょっとの事でイライラしたりくよくよしたりする症状が現れます。
更年期は家庭でも職場でも変化のある時期で、
そのストレスの蓄積も要因となります。
趣味を楽しんだり、友人とおしゃべりしたり、買い物をしたりして気分転換をしましょう。
誰かに話すだけで気が晴れる事があります。
辛く感じる時は我慢せずに産婦人科や心療内科で相談しましょう。


疲労感・倦怠感・無気力
更年期の体調不良が長引くと疲れやすくなり、
気力もなくなり、そのため集中力が低下してしまう事もあります。
もちろん、加齢によって疲労物質がたまりやすくなっているのも一因です。
こうした症状が出たらひとまずゆっくり休みましょう。
休養や睡眠、栄養を取っても回復しない時は、 産婦人科などで相談しましょう。


更年期のうつ
更年期は家庭・社会での立場や、さまざまな不快な症状が大きなストレスとなって、
抑うつ傾向、さらにうつ病を起こしやすい年代です。
それを防ぐ方法として、更年期の不快な症状が出て辛かったら、
我慢せずに休んで、病院に相談する事です。

頑張るほどに、どの症状も重なりあって現れ、
思う様に仕事がこなせなくなり、心身共に疲れてしまいます。
頑張りがきいた今迄とは違う事を理解して、気持ちを切り替えることが大切です。

家族のために自分を後回しにして、
仕事も家事もこなして来た人は、特に注意が必要です。
そういった人は更年期障害をおこしやすく、 またうつ状態にもなりやすいタイプです。
自分の時間を持ち、リラックスする事を心がけましょう。

うつは更年期障害と似ている症状が多い。
自分で判断するのは禁物です。おかしいなと思ったら病院へ。
更年期であるならば、まず婦人科で相談してみましょう。

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