体が若くなる技術〈3〉vol.5

体が若くなる技術 〈3〉
「若返る仕組み」



呼吸で取り込んだ酸素は、1~2%は活性酸素となる

そもそもなぜ、エネルギーを生み出すときに老化の原因となり、
体の若さを奪う「活性酸素」が生じるのか?

活性酸素とは、酸化力(サビさせる力)の強い酵素。
電子と酸素が結びついた物質の事をいう。
そして、この物質は3回「変身」する。

まずは、酸素が電子を吸収してた「スーパーオキシドラジカル」になり、
さらに、電子を吸収して「過酸化水素」という活性酸素になり、
さらに、電子を吸収してより一段と強い「ハイドロキシラジカル」「一重項酸素」となる。

これらの活性酸素はフリーラジカルとも呼ばれる。


注目
これらの活性酸素は、なぜエネルギーを生み出す際に一気に発生してしまうのか?
ミトコンドリアでは「電子」と「食事」を利用してATP(2020年1月コラム参照)という物質を合成します。

その際に「電子」はミトコンドリア包む膜の上を流れて行く。
その膜の上は平均台のように細く、ときどき電子がこぼれ落ちてしまう。

さらにミトコンドリアには、とてつもない電圧がかかるので、
電圧が一瞬でも高くなったときに、どうしても電子がこぼれ落ちてしまう。

このこぼれ落ちた電子が、近くにある酸素と結びついたのが「活性酸素」。

エネルギーをつくる際に、順当にプロセスが進めば電子はこぼれないはず。
しかし、私たちの体は残念ながら最初からそれほど完璧には作られていない。
その結果、呼吸で取り込んだ酸素の1~2%が活性酸素になっていると言われている。

☆超重要
ミトコンドリアの質の低下やストレスや早食い、急激な運動の開始や停止などによって、体に過度な負担がかかると、もっと多くの活性酸素ができてしまう。







マイルド・カップリングが活性酸素の発生を防止する

活性酸素ができてしまう原因が、「こぼれ落ちる電子」。
できるだけ電子がこぼれ落ちないようにすれば、
それだけ活性酸素の発生を防ぐことができる。

参考…
質の良いミトコンドリアの代表として鳥のミトコンドリアがある。
どのように良いかというと、たくさんのエネルギーをつくっても電子がこぼれ落ちにくい構造になっている。

大切…
電子がこぼれ落ちないようにするには、
電子がこぼれてしまうのは、急激に電子が流れたときと電圧が高くなりすぎたとき。
ならば電子の動きを抑えてやればいいということになる。

電子は栄養素(食物)からエネルギーをつくりり出すときに動くもの。
エネルギーの生産を少し低下させてでも電子のスピードを遅くすればいいということになる。
エネルギーの生産を少し犠牲にしても電子がこぼれないように電圧を下げている状態を「マイルド・カップリング」という。

大切…
この「マイルド・カップリング」の状態をつくり出すためにはミトコンドリアの「量」が必要です。
ミトコンドリアの量がたくさんあれば、
大量のエネルギーが必要になっても、ひとつのミトコンドリアにかかる負担は小さくなる。
ミトコンドリアの量を増やすことが体を若くするというのは「エネルギーの緊急事態」をつくらせないということ。






ミトコンドリアの「量」が「質」をつくり出す

エネルギーを効果的につくるためには、ミトコンドリアの「量」が必要です。
「量」が多くなれば、エネルギーの生産時に活性酸素の発生を抑えることができる。

ミトコンドリアの「量」を増やすと、「老化」「病気」とも疎遠になる。
エネルギーにあふれた若い体になる。

超重要…
ミトコンドリアの「量」を増やすには・・・
・姿勢を保つ
・寒さを感じる
・空腹を感じる

大切…
いずれの方法も、からだに「エネルギーが不足しているよ」というシグナルを与えることがポイント。


食事制限によってエネルギーが不足したときと、運動によってエネルギーが不足したときでは、体の中で起きる変化は少し違う。
どちらも最終的には、"ミトコンドリアを増やすように" というシグナルが出て、量が増える。
ミトコンドリアの「量」が増えると「質」がよくなる。
ミトコンドリアはよく働いて古くなって「質」の悪くなったミトコンドリアもあるが、
私たちは、そのミトコンドリアを捨てる機能もある。

「量」が増えると「質」がよくなるのはこのため。
「数」がたくさんあれば「質」の悪いものを捨てることが可能になる。

重要…
「質」のよいミトコンドリアをつくるにはまず「量」を増やすこと!

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